入浴法

体温38度以上なら控えて  42度以上メリットなし  加齢臭には朝シャワー  自然素材の入浴剤楽しむ 

 心臓に負担が少ない理想的な入浴法として紹介されることが多い、みぞおちから下だけ、じっくりとつかる半身浴。でも冬は上半身が寒そうだし、ぬるいお湯は嫌いな人も多い。お風呂のつかり方やお湯の温度を考えてみた。
 温泉療法や入浴健康法を研究する北海道大学教授の大塚吉則さんは「半身浴は水圧で下半身のむくみを取り、血液を無理なく心臓に戻してくれる。心臓が悪い人や中年以降にお勧め」と話す。
 半身浴の際の上半身の寒さを防ぐには、タオルを肩にかける方法もあるが、面倒な気もする。54歳の大塚さん自身は、半身浴を基本に時々、肩までつかる。「全身つかると気持ちはいいが、10秒か20秒で満足できるので、また半身浴に戻す」という。
 半身浴は心臓に優しいが、全身浴は肩こりに効果があるという。東京ガス都市生活研究所が行った実験では、40度で10分間の全身浴が肩こりに最も効果があった。半身浴なら38度に20分使った後、42度のシャワーを3分間浴びると、40度10分の全身浴と同じ効果だった。
 風呂の湯の温度について埼玉医科大准教授の倉林均さんは「日本人が好きな42度弱は、交感神経を活動させて目が覚めるので、ひと仕事するときに向いている。就寝前なら40度未満で副交感神経優位にして筋肉をほぐすのがいい。42度以上になると何のメリットもない」と説明する。
 入浴中の事故を防ぐには、お湯の温度だけでなく、浴室や更衣室の温度管理も重要だ。倉林さんは「温かい居間から冷えた更衣室や浴室に入り、お湯につかると、血圧の変動が激しくなる。浴槽のふたをとって浴室全体を温めたり、更衣室にストーブを置いたりなど温度差をできるだけ減らす工夫を」とアドバイスする。
   
みぞおちから下だけ、ぬるめのお湯に20分程度つかる
心臓の負担が少ないが、上半身が冷えないように、浴室を
  暖め、タオルを肩にかける 
日本人が好む入浴法。肩までつかる
心臓への負担が大きいが、若く健康な人なら問題なし
肩こりには40度、10分の入浴が効果的
水深が浅く、寝そべる姿勢なら水圧は少ない 
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