入浴法

体温38度以上なら控えて  42度以上メリットなし  加齢臭には朝シャワー  自然素材の入浴剤楽しむ 

 入浴すれば、だれでも当たり前のようにせっけんやシャンプーで体を洗う。でも、洗い過ぎには注意したい。
 入浴法に詳しい埼玉医科大准教授」の倉林均さんは「表皮の脂分は、外部の刺激や科学物質から肌を守り、肌の水分を保つ働きがある。せっけんはよごれを落とすにはいいが、洗浄力が高いものは皮脂の機能を損なう。せっけんはほどほどに使うのがいい」という。
 アカスリやナイロンタオルでごしごしこすれば一時的に気持ちがいいが、肌を保護している角質(肌の表面)まで落としてしまう。「手ぬぐいで軽く洗う程度に」と倉林さん。乾燥肌は高齢者に多いが、こうした洗い過ぎによっても起こる。 
 健康な皮膚には様々な常在細菌がすみつき、病原菌の侵入を防いでいる。この常在細菌を保護するため、せっけん使用に注意を促すのは、茨城県石岡第一病院傷の治療センター長、夏井睦さん。「せっけんで皮脂を洗い流し、強くこすれば、常在細菌がすみにくくなり、それ以外の細菌が繁殖する」
 お湯で洗い流せない皮膚の分泌物でなく、機械油などの汚れ以外はせっけんは不要という。「人類の歴史に比べれば、せっけんの使用は最近のこと。一種の文化であり、使うなとは言わないが、使えば使うほど皮膚に悪い」と夏井さんは指摘する。
 中高年になると気になるのが加齢臭。においの原因は「ノネナール」という皮脂の一種で年齢とともに増える。においを消そうと、せっけんをたっぷり使う人もいるが、東京ガス都市生活研究所の調べでは、朝41度のシャワーを1分間浴びるだけで、においの原因になる皮脂の量は大幅に抑えられることが分かっている。
 同研究所の興梠(こおろき)真紀さんは「せっけんを使う場合も、ごしごしこすらず、泡をつけるだけで十分」と話す。

        

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