 炎症招く臼蓋形成不全 太り過ぎると負担大 筋トレで骨の変形予防 水中ストレッチ痛み軽く |
|---|
| 骨盤のくぼみと大腿骨（だいたいこつ）の先端をつなぐ股関節は、４０〜５０歳代になると、骨が変形し、痛みを感じるようになることがある。骨の変形が進むと、手術が必要になることがある。 股関節の痛みなどに詳しい吉田成形外科（東京）院長、吉田雅之さんは「症状を知って早めに発見し、悪化を抑えることが大切」と話す。 吉田さんによると、早期発見は、股関節の異常の兆候をとらえる必要があるという。股関節は通常、骨盤のくぼみと大腿骨の先端にある軟骨がクッションになっており、体重のかかり方が悪くても、初めは痛みを感じないことが多い。 しかし、加齢で軟骨や股関節周辺の筋肉が弱くなり、軟骨がすり減ってくると、股関節に鈍い痛みが生じる。長時間歩いた後や運動後に股関節の周辺が重い、だるい、といった症状が出たら異常の兆候だ。股関節周辺の筋肉に負担がかかるため、尻や太ももなどにじわっとした痛みを感じることもある。 休息をとることで痛みがとれても、しばらくしてまた痛むなど症状に波があるのも特徴だ。軟骨のすり減りや骨の変形がすすむと、痛みで股関節を動かしにくくなり、靴下やストッキングをはきづらい、足の爪が切りにくいなど日常の生活に影響が出てくる。 吉田さんは「痛みが長く続くか、強かったら、医師にみせて」と言う。 股関節の骨の形を診察してもらう機会は、小児期に骨の形の不具合が見つかった場合などを除き、一般的に少ない。診察により、自分の骨の形を把握することができ、痛みが股関節の形の不具合によるものかがわかる。 股関節は、実は体重の影響を受けやすい。日ごろから太り過ぎないよに注意することが大切だ。初期の変形性股関節症と診断されたら、長時間歩き続けたり、重い荷物を持ったりすることはなるべく避けるようにしたい。 吉田さんは、「体重の管理や筋肉を鍛えることによって、股関節の働きを長持ちさせましょう」と指摘する。 |