炎症招く臼蓋形成不全 太り過ぎると負担大 筋トレで骨の変形予防 水中ストレッチ痛み軽く

 筋肉トレーニングやストレッチによって股関節周辺の筋肉を鍛えれば、股関節の骨の変形を予防できる。

 関東労災病院(川崎市)の理学療法士、園部俊晴さんは「骨の変形による痛みは、筋肉の不足や姿勢が悪くなることで生じやすい」と指摘する。股関節は胴体と脚を連結している部分なので、筋肉が弱かったり、筋肉に柔軟性がなかったりすると、脚を動かしづらくなり、姿勢も悪くなる。
 股関節を支える重要な筋肉が尻の部分にある大殿筋と中殿筋。股関節の後ろ側の大殿筋は、弱くなると腰が曲がって、よい姿勢を保てなくなる。尻の側面の中殿筋は弱くなると、骨盤が不安定になり、左右のバランスが悪くなる。
 また、筋肉の柔軟性が損なわれると腰などに負担がかかる。負担をかけないためには、脚を伸ばす筋肉である股関節の前側の腸腰筋と、太ももの裏側のハムストリングスのストレッチが特に大切だ。
 園部さんが勧めるのは計4種類の筋トレとストレッチ。まず、大殿筋と中殿筋の筋トレ。大殿筋では、あおむけになって両ひざを立て、尻を持ち上げる=イラスト1=。中殿筋では、横向きに寝て、片方の足を持ち上げる=同2=。それぞれ1回3〜5秒くらい、1セット左右10回で3セット行う。
 次にハムストリングスと腸腰筋のストレッチ。ハムストリンクスは、いすなどに片方の足をのせ、前傾して太ももの裏側を伸ばす=同3=。腸腰筋は片ひざ立ちになり、もう一方のひざを床について、腰を沈め股関節の前側を伸ばす=同4=。1回20〜30秒でそれぞれ左右3回程度行う。
 慣れてきたら少しずつ負荷をを上げる。痛みがある時は負荷を減らす。園部さんは「筋肉がちょっと張る程度がいい。痛みが続くようなら医師に診てもらいましょう」と話す。
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