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<bgsound src="ich.mid" loop=-1> 越後三山  中ノ岳、兎岳、丹後山
2010年6月2日(水)〜3日(木)


”兎岳から見た中ノ岳と遠方の越後駒ケ岳。”


[概要]
山スキーは先週で終了。 山歩きのスタートはさてどこに。 結局、昨年も同時期に出掛けて、大変印象深かった越後三山周辺となった。

昨年は 荒沢岳、中ノ岳、越後駒ケ岳と、 かなりきついコースを回ったが、今回は、 十字峡から入り、中ノ岳、兎岳、丹後山を回る少し楽なコースとした。

初めて歩くコースはいつも新鮮で大変素晴らしい。 登山口から約1650mを頑張って登り、 残雪と花の咲く景色を楽しみながら縦走。 奥深いコースで、入る人も少なく、 自然がいっぱいの山々を体感する素晴らしい二日間だった。



[メンバー]  :単独
[山域&山名]:越後三山(新潟、群馬)、中ノ岳(2085m)(登山口からの累積標高差約2000m)(延べ距離、GPS計測21km)
[天候 ]      :晴れのち曇り
[行程]
(6/2):十字峡登山口(440m)6:00 - 8:40日向山(1561m) - 11:00中ノ岳11:30 - 13:20兎岳13:40 - 14:50丹後山避難小屋(泊)
(6/3): 丹後山避難小屋6:00 - 8:30栃の木橋 -9:10十字峡登山口


一日目:十字峡登山口〜丹後山避難小屋


6:00   十字峡登山口

三国川ダムを過ぎてシャクナゲ湖沿いの整備された道路を十字峡登山口の登山センター前まで車で入る。



十字峡に流れ落ちる沢音を聞きながら、登山口から中ノ岳へのコースへ入る。 これがウォーミングアップなしで、 いきなり物凄い急登で度肝を抜かれる。

飯豊山の梶川尾根を彷彿させる、尾根をそのまま直登する急勾配が延々と続き、1400m辺りから少し緩やかになって、雪上歩きとなる。







        ”巻機山から派生する尾根と大兜山。”



日向山(1561m)まで来ると平坦になり回りの景色が飛び込んでくる。 ブヨのしつこい攻撃にたまらずハッカ水をスプレー。 これでいくらかは楽になったが、自分自身もハッカの刺激で涙ポロポロ。

圧倒されるような大きさの中ノ岳が前方に立ちはだかる。 この景色がたまらない。





        ”日向山からなだらかな雪田の向こうに大きく構える中ノ岳。”





        ”中ノ岳の右手はこれから歩く兎岳〜丹後山へ続く稜線。  丹後山避難小屋は右の端。 遠いなー。”


生姜畑を過ぎると再び急登に変わる。 雪庇と夏道が半々の厳しい直登が続く。 雪面は軟らかく緩んでいるのでアイゼンは効果なし。
いい加減に歩いているとズリ落ちるので急斜面はキックステップで確実に登る。






        ”振り返れば歩いてきた日向山が長く延びている。”


400mの急登のあと池の段のコルに到達。 荒沢岳方面の視界が開けるが残念ながらちょっと霞んでいる。 夏を思わせるような積雲が空を覆い始めている。





        ”池の段から見た荒沢岳と、昨年歩いた兎岳までの縦走路。”


コルにザックを置いて、空身で中ノ岳へ。10分ほど雪の斜面を登ると中ノ岳の頂上だ。



11:00   中ノ岳



頂上で休憩するが、空模様がスッキリしない。 暫く待つが越後駒ケ岳は相変わらずガスで見えない。  寒気の影響でにわか雨の予報もあるので、長居をせずに先へ進む。





        ”中ノ岳から稜線上のコルまで350mの急な雪面下りが始まる。 兎岳がかなり下方に見える。”


雪面が堅ければアイゼンが必要な場面だが、雪は緩んでいるので、急斜面も楽に下ることができる。 雪の量は昨年より少し多いようだ。



最低部のコルを過ぎて小兎岳への登りは笹原である。 昨年、腰まで潜りながら笹原を遊泳するように歩いた登山道は笹が刈り払われて、夏道がシッカリ出ている。  作業して戴いた方々に感謝。





        ”コル付近から見た小兎岳。 笹原に登山道が見える。”





        ”小兎岳から更に進んで振り返る。 中ノ岳と少し見えてきた越後駒ケ岳。”



13:20  兎岳


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        ”兎岳頂上から見た中ノ岳と越後駒ケ岳。”


兎岳から先はアップダウンは少なくなる。 今日の行程の先が見えてきたのでひと安心、ここからグッとペースが落ちて、 稜線に咲く花を眺めながらの歩きに変わる。





        ”兎岳から丹後山までの稜線。 なだらかであるが小屋まではまだまだ遠い。”


大水上山(1831m)を過ぎて暫く進むと、利根川源流の記念碑がある。 ここは太平洋と日本海への分水嶺である。





        ”利根川水源の碑。”



登山道は更になだらかになり、標識が無ければ見落とすような丘状の丹後山を通過。


その直ぐ先に端正な形の丹後山避難小屋があった。




14:50  丹後山避難小屋

荷物を降ろしてゆっくりと休憩。 部屋の温度は12℃あって、大変暖かい。 手入れの行き届いた気持ちの良い小屋である。

日が西に傾いた頃、再度丹後山へ登ってみる。 曇りがちだった空も晴れて、明日も好天が期待できる。





        ”丹後山から避難小屋と其の先の巻機山方面に続く稜線を眺める。”


夕方になり、晩飯の準備。 今晩もお気に入りのウナギ丼と、ツマミもしっかり持参したので、 定番の焼酎の雪割りを飲みながら一人静かな小屋泊を楽しむ。 

二日目:丹後山避難小屋〜十字峡登山口

夜中に起きて外に出てみた。 月明かりがあるが、更に星空もきれいで、今日の好天は約束されたようなものだ。


4時半に稜線上に日の出。 茜色の空が美しい。







    ”荒沢岳の右手から日の出。”



6:00  丹後山避難小屋出発


朝食をゆっくり摂り、荷物をパッキング。 汚れてはいないが、ゴミひとつ無いように箒で掃き掃除。
カベに掛けられた善意の箱に一夜の感謝を込めて、心付けを入れる。

今日は下るだけの楽な行程で遅い出発の予定だったが、食事を終えたら手持無沙汰なので、ゆっくりと下山開始。





        ”越後沢山、小沢岳、その先の巻機山へ続く稜線。 巻機山はまだ雪がいっぱいある。”


最初はなだらかだった登山道も三国川へ落ちる尾根に入ると勾配は中ノ岳への登りと同様に急になる。

右手に中ノ岳と日向山を眺め、登山道に咲く花をあちこち見ながら、のんびりと歩く。





        ”咲き始めたシャクナゲと、ほれぼれするような中ノ岳の雄姿。 左は八海山。”





        ”少し下って、タムシバと中ノ岳。”


1000mまで下るとブナ林で視界が遮られ、中ノ岳の雄姿も見え隠れするようになる。





        ”中ノ岳の見納め(1000m付近) 。”


鉄砲平からは転げ落ちるように急坂を下る。 今日丹後山避難小屋へ泊まる単独の登山者とスライド。  二日間で唯一出合った登山者だ。

急降下のあと栃の木橋に出て、最後は長い林道歩きとなる。

沢の流れを見ながら林道をのんびりと歩くが、ゴール直前に目の前にこんなのが出ました。


ザックが無ければ、右のスキマを這って通過できそうだが、ザックがジャマで断念。 仕方なく雪の山を越える。

これがかなり際どい斜面で、ズリ落ちたら川へドボン。 最後はピック付のストックでホールドしながら、 堅い雪を蹴り込み後ろ向きで5m程の高さの狭い急壁を降りて林道へ立ちホッと一息。

この雪山越えが今回のルートの一番の難所だった。


9:10  十字峡登山口



  咲いていた主な花々。



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