移動性高気圧に要注意 心筋梗塞 気圧が関係? 気温低下で関節痛む 寒暖 感じにくい高齢者 |
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気温が下がると、健康な人でも血圧が高くなる。横浜市立大特任教授(情報システム予防医学)の杤久保修さんは「気温が下がると血管が収縮し血圧が上がる。冬は夏より脳卒中や心筋梗塞を起こしやすい」と注意を促す。 杤久保さんらが、男女45人(50歳以上)の血圧を、季節ごとに日を決めて24時間測定したところ、冬の収縮期血圧は夏より8・7高かった。また、横浜市の脳卒中による救急搬送件数を調べると、1月は8月より約3割多かった。 杤久保さんは「血圧が上がると血流が速くなって血栓(血液の塊)が心臓や脳の血管に飛びやすくなり、詰まる恐れが高まる」と話す。 一方、広島県医師会は、天気予報に基づき、「心筋梗塞・脳卒中予報」を、インターネットで毎日、公開している。 広島県の過去3年の救急搬送の状況から、1日の平均気温が6度未満になると、6度以上の時より心筋梗塞の患者の搬送件数が増えることが分かった。これに加え、平均気圧が1013ヘクト・パスカル未満だと、より搬送患者が多くなった。また、気温と気圧にかかわらず、寒冷前線が通過する時なども患者が多かった。 ![]() こうした結果から、心筋梗塞では、「警戒(危険大)」「注意(危険中)」「普通(危険小)」の3段階で予報。また、脳卒中については、気圧との関連が見られなかったため、平均気温が9度未満は「注意」、9度以上の日は「普通」としている。 同医師会常任理事で循環器内科医の松村誠さんは、「心筋梗塞と気圧がなぜ関係しているのか、理由はよく分からない。予報を参考に、冬は防寒をしっかりし、胸が苦しいなどの体調の変化が出たら、すぐに救急車を呼ぶようにして欲しい」と話している。 心臓病や脳卒中を防ぐために心がけたいこと ・暖かい室内から寒い室外へなど、いきなり気温が低いところに行かない ・起床時は血圧の変化が大きく、ゆっくり体を起こす ・入浴前や就寝前には1口か2口の水分をとり、体の水分不足を防ぐ ( 杤久保修さんによる) |