移動性高気圧に要注意   心筋梗塞 気圧が関係?   気温低下で関節痛む   寒暖 感じにくい高齢者
寒暖 感じにくい高齢者
 
 気温や湿度、気圧のうち、どれが、体に最も大きな影響を及ぼすのだろう。魚沼市国保守門診療所(新潟県)の内科医で気象予報士でもある遊佐昌樹さんは、「体への負担が大きいのはやはり気温の急激な変化。急上昇すると、精神的に不安定になりやすく、急降下した場合は身体面に悪影響がでやすい」と話す。
 遊佐さんは、前日に比べて気温が5度以上、上下する日と、朝と晩の寒暖さが10度ある日は要注意とし、「気温が5度違うと季節が1ヶ月進んだ状態と考えてもいい。気温が大きく変動する前の日は、疲れをためないよう、無理をしないでほしい」と助言する。
 気温の変化は天気予報以外に、自分の肌で知ることもできる。例えば、生暖かい風が吹いたり夕立があったりした時は、前線の通過時などにあたり、その後、急激に気温が下がることが多い。寒暖差が大きい場合は、衣服や部屋の温度を調整し対処する。ただ、高齢者になると、体の機能が衰え、暑さや寒さを感じにくくなる。
 遊佐さんは「汗をかいていなくても、暑さのために体温が高くなっていることもあるし、寒いと感じていなくても、室温が低くなっている場合もある。家族や周囲の人が意識して気に掛けるようにし、例えば、足先を触って熱いと感じたら、室温を調整するなどしてほしい」と強調する。
 気象の変化を知れば、病気の発症や悪化を防げる場合もある。2回目で紹介した広島県医師会のほか、医療機器大手のテルモが運営しているサイト「テルモ健康天気予報」など、天気予報を基に健康への注意を呼びかけるサービスもある。気象と健康の関係は、解明されていないことが多いが、こうした情報も参考にして、日ごろの健康管理に努めたい。  (利根川昌紀)

 
   
寒暖さが大きくなる主な気象条件

低気圧と高気圧が交互に移動してくる「移動性高気圧」の通過時
暖気の後に寒気がやってくる「寒冷前線」の通過時
表面の熱が奪われる「放射冷却」が起きた時
乾いた高温の空気が地表に降下してくる「フェーン現象」が起きた時
            (遊佐昌紀さんによる)    
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