酒の細道

酒との出会いは、幼少の頃に親戚の祝いの席で、ふざけて杯を持たされたのが出合いです。飲み始めは20代で、冷二級酒、レッドお湯割り等を飲み、酒の美味しさより勢いで飲み、吐きながら酒を学びました。社会人になってからは、退勤後の同僚・先輩・後輩と職場の話題・愚痴などノミニュケーションで親睦を深めました。また、業務上での社外との交流で様々な業種・役職の方と飲む機会が多くあり、飲み方・マナーを学びました。 
定年を前にして、酒飲みを「酔っぱらう」から「美味しく味わう」呑み方をしようと思い、日本酒学の資格を取りました。資格取得し、酒の種類、製法、米、水、麹等を吟味し呑むようにしました。呑む店にも拘り、特に熱燗専門の神楽坂・伊勢藤、明治38年創業日本最古の神田・みますや(東京都保存建築物で、土間や銅板看板が特徴)、日本酒バー上野・夜行列車は酒だけでなく料理、酒器にも拘りがあり、最高の店でした。

 日本酒の魅力
 日本酒は「燗してよし、冷やしてよし」の世界でも珍しい酒です。飲用温度は他の酒と比較すると、5℃から55℃位まで広範囲です。また、冬から春、夏から秋と四季の移ろいと共に生まれ、育つ、日本独特の気候風土が生む酒です。豊かな自然の恵みと、古代からの日本人の知恵で育てられた歴史を感じながら飲む、奥深い酒です。また、日本酒と国名が付いた酒は世界中に無いのも魅力です。フランス酒とかアメリカ酒はありません。これまで美味しく呑んだ思い出深い酒拘りの一献です。
 馴染みの店
コロナ禍で馴染みの店が廃業しました。社会人になり、先輩の馴染みの店によく連れていかれました。何処の店に行っても常連さんは王様です。「あれ」とか「いつもの」の一言で、美味しい酒や料理がでてきます。私も、いつか馴染みの店を持つことが、社会人になっての目標の一つでした。居酒屋やスナックが馴染みの店になった時は、嬉しくて仲間や後輩と呑みに行きました。その店では、私は王様です。社会人後半は、各勤務地に馴染みの店が何軒かでき、呑むメンバーやその日の嗜好で店を決めるのも楽しかったです。
 家呑と外呑
2021/6月 コロナ禍で不要不急の外出自粛となり、外呑みに行けなくなり、1年以上たちました。日本酒、焼酎は原価で好みの酒が家で呑めますが、生ビールだけは家で呑めません。1年以上、生ビールを呑んでないので、近所の町中華で、昼呑しました。冷えたジョッキでの生ビールは最高でした。現役時代は、毎日のように仕事帰りに生ビールを呑めたのは、贅沢な毎日だと今は懐かしいです。
2021/8月、9月はコロナ感染第5波で緊急事態宣言で、飲食店でのアルコール提供禁止となり、細やかな楽しみも無くなりました。
唎酒
毎年唎酒会に参加しています。毎回15種類の唎酒で、香り・色・味を楽しみ総合評価をします。しかし、15種類も呑むと酔いが回り味が分からなくなりますが、楽しい酒飲みです。
 酒呑マナー
  飲み会では多くのマナーやおもてなしの心を学べます。特に、お酌の仕方・タイミング、酒のつぎ方、徳利やビンの持ち方、酌の受け方・飲み方.座席順の決め方等の多くの日本マナー文化です。相手との間合いを考え、杯を交わすのは楽しいです。しかし、2020/3月からのコロナ禍でオンライン飲み会が増え、新型コロナ感染防止で「3密」を避けるには、一人で手酌で飲むしかなく、日本のおもてなし文化が消滅するかと思うと寂しい限りです。
昼呑み聖地巡礼
 会社退職してから、夜の外出は控え昼呑みです。地元では良い昼呑み屋が少ないので、東京時代の会社仲間と定期的に昼呑みをします。上野、神田、御徒町、赤羽は楽しい昼呑みの聖地です。東京各地に「呑兵衛横丁」があり「3密」で楽しいところですが、コロナ禍では行けません。
 焼酎
 日本酒は並行複発酵で、焼酎は単発酵なので、味わいが違います。焼酎の原料は麦、芋が主流ですが、高知の栗焼酎は美味しかったです。最近は、東京都・青ヶ島の麦・芋10年ブレンドでアルコール35度を楽しんでいます。
 酒造り
毎年濁酒を造っています。仕込む時期、気候・気温、米等の違いで、毎回味が変わるのが楽しみです。酒造りのコンセプトは、純米山廃無濾過生原酒、アルコール度22~23度です。材料は、米:食用米、仕込み水:阿武隈山脈湧き水、麹:自家製です。濁酒の初期は発酵しているので、透明なスパーリング酒です。それから徐々に瓶内発酵され熟成し、オリ入り濁りになり、最後は袋で搾って琥珀色の熟酒になります。最後は、冷蔵庫で長期保存し古酒になり、一年中濁酒の熟成度合の変化を楽しみながら呑んでいます。