10/07/18 関ヶ原の旅 二日目

宿で朝食を取り、石田三成の居城佐和山城跡を横目にしながら、惜しみつつも先へと進んだ。彦根の町を通り抜け、ゆるキャラNo.1ひこにゃんが住まう彦根城へと向かっていった。

彦根城は現存12天守且つ国宝であり、全てにおいて見事であった。整然と積まれた石垣に、本丸へと続く天秤櫓、破風の重なりが美しい天守。また、破却された様々な城の材料を再利用して造られたことでも有名で、天秤櫓は長浜城、太鼓門は佐和山城、三重櫓は小谷城、天守は大津城と、素晴らしいほどにリサイクルされた城なのであった。

ひこにゃんの人気も凄まじく、撮影会の時間には多数の群衆がカメラ片手に押し寄せていた。また、井伊の赤備えによる鉄砲隊の演武も見事で、銃声が轟くごとにその迫力に押された。昼食は夢京橋キャッスルロードの「笑家」というお店で近江牛丼とうどんのセットをいただいた。腹ペコだったので、とにかくうまかった。

彦根を後にした僕らは、いよいよ天下分け目の決戦地、関ヶ原へと向かった。関ヶ原駅で電車を下りると、四方を山に囲まれた田園地帯が広がっていた。合戦最大の激戦が繰り広げられたという「関ヶ原古戦場決戦地の碑」はそんな田園風景のど真ん中に立ち、遠い過去の戦乱の記憶を訪れる者達に伝えていた。

そして僕らは、笹尾山にある西軍総大将・石田三成の陣跡へと辿り着いた。ここからは関ヶ原を一望でき、三成も見たであろう合戦の様子を想像しながら、戦乱の世に思いを馳せた。各地の戦国の史跡を巡ってきた僕達にとって、関ヶ原というものの意味するところ、自分達の旅も終焉を迎えてしまうのでは…と、何ともセンチメンタルな思いに駆られた。

帰り道、田んぼの畦に腰掛けながら、水路を渡る冷たい水の中に足を入れて涼んだ。田んぼを渡る風も心地よく、おかげで汗も疲れも和らぎ、颯爽とした足取りで駅へと向かった。所用のため帰るウミノをホームで見送り、僕らは一路京都へと向かった。

京都駅からタクシーで三条大橋へと向かい、「海鮮茶屋池田屋」で酒を酌み交わした。ここは言わずと知れた池田屋騒動の跡地に建っており、メニューには新撰組隊士それぞれのカクテルが用意されていた。二日目の宿は鞍馬口のゲストハウス「月光荘」に泊まった。こういった形の宿に泊まることは新たな挑戦であったが、果たしていかがだったであろうか。

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