ひたちなか海浜鉄道

 ひたちなか海浜鉄道はひたちなか市と茨城交通(株)が出資する第3セクター方式の鉄道会社で 2008(平成20)年4月1日茨城交通(株)より分割して開業した。  起点は勝田、終点は阿字ヶ浦で総延長は14.3km。10駅よりなり、全線が非電化単線、運行速度 60km/hのワンマン運転で、車両基地は那珂湊にある。
 駅は勝田ー日工前ー金上ー中根ー高田鉄橋ー那珂湊ー殿山ー平磯ー磯崎ー阿字ヶ浦の順となる。
 (この中で列車の交換可能駅は金上と那珂湊である)
 ホームの駅名標は漢字をイラスト化したロゴタイプにより、駅周辺の特徴を表現したユニークな もので、レトロな列車が走る沿線の景色にもマッチし何故か郷愁を誘う。 1913(大正2)年、勝田ー那珂湊間の開通から歴史を重ね、2013(平成25)年12月で100 年目となり地元では湊線として親しまれている。
 千葉県の銚子電気鉄道(銚子ー外川間10駅6.4km)とは姉妹鉄道として連携し、地域団体の 「おらが湊鉄道応援団」では地域の鉄道の盛り上げに寄与し、湊線の今がわかる 情報をfacebookで発信している。

列車写真
磯崎駅を発車する列車

駅名標の写真  勝 田(かつた)
駅標はひたちなか海浜鉄道の社章の一部と駅前ビル群を表す。
 島式ホーム1面1線、有人駅
ひたちなか市の玄関口、東京まで特急で1時間半ぐらい。湊線沿線も勝田で乗り換えれば東京に直結し ていることになる。 湊線勝田は勝田駅構内の1番線ホームを割り当てられていて破格の扱いである。1番ホームには小さな 湊線専用の駅事務所と改札口がある。
 JR勝田駅は橋上駅で東西自由通路となっていて、東口と西口にそれぞれ出入口がある。湊線利用時も 全く同様である。駅前のオフィスビル群、商店街の衰退に反して ・・続き

駅名標の写真  日 工 前(にっこうまえ)
駅標は駅前にある日立工機(株)が製作する電動工具を表す。
 陸式ホーム1面1線、無人駅
勝田から0.6km、駅間では最も短い。日工前から次の金上までは、市毛十字路から那珂湊に通じる 県道38号線と並行している。ホーム上に簡単な待合所があるだけで、飲み物の赤い自販機が目立つ。 かっては日立工機従業員の専用駅だったが、現在は通常の駅である。ひたちなか市文化会館、表町 商店街に近かい。ひたちなか市はここ数年郊外に大型商業施設が相次ぎ、表町商店街の衰退が進み空き 店舗率が35%に及んでいる。休日でも人通りが少なく非常にさびしい。ところが年に一度 ・・続き

駅名標の写真  金 上(かねあげ)
駅標は駅前にある陸上自衛隊勝田駐屯地にちなみ戦闘機、戦車、潜望鏡を表す。
 島式ホーム1面1線、交換可能、無人駅
三角屋根のモダンな駅舎がホーム上にある。ひたちなか海浜鉄道として発足した後に列車交換設備がつく られた。駅周辺は閑静な住宅街で、近くには江戸時代からの歴史がある単純硫化水素泉の長者ヶ谷津温泉 がある。 日工前から金上にかけて東側に日立工機(株)と陸上自衛隊勝田駐屯地・施設学校の広大な敷地 がつづく。勝田駐屯地敷地内は桜の名所でもあり、走行する列車の窓からでも良く見える。毎年4月には 観桜のため構内を一般開放する。また8月にはひたちなか祭の最大イベント ・・続き

駅名標の写真  中 根(なかね)
駅標は近くにある国指定史跡で彩色壁画が保存されている虎塚古墳(前方後円墳)と中から出土した刀剣 を表す。
陸式ホーム1面1線、無人駅
金上を発車し住宅街を過ぎると風景が一変する。那珂川の支流である中丸川に沿ってのどかな田園が 広がり、ひたちなか市の穀倉地帯となる。 駅は田圃の中に取り残されたようにポツンと建っていて、周囲を見渡しても人の気配がない。集落は 南側の台地となるため駅から坂を登らないと住宅が目に入らない。台地の森と田圃に囲まれた 「野中の駅」という表現がピッタリの秘境駅である。ホーム上に花壇があり色とりどり ・・続き

駅名標の写真  高 田 鉄 橋(たかだのてっきょう)
駅標は地元の要望で命名された「高田鉄橋」にちなんでレ−ルと鉄橋を渡る列車を表す。
島式ホーム1面1線、無人駅
国道245号線みなと陸橋の下に2014(平成26)年1月に開業した駅で、ホームの屋根は陸橋 そのものである。駅名は当初近くの住宅地である柳ヶ丘にちなんで柳ヶ丘駅とする計画であったが、 駅付近を流れる中丸川に架かる橋を地元では高田の鉄橋と呼んでいたことと、付近の旧地名が高田で あることから、駅名としては一風変わった「高田の鉄橋」に決まった。駅の400m南側、国道245 号線と ・・続き

駅名標の写真  那珂湊(なかみなと)
駅標は幕末に建設された反射炉(大型の溶解炉)と日本初のステンレス気道車
ケハ601(廃車後保存) と駅のマスコットである猫の「おさむ」を表す。
陸式ホーム1面1線、島式ホーム1面2線、交換可能、車両基地、有人駅
湊線の中枢駅、おらが湊鉄道応援団の活動拠点にもなっている。駅舎は築100年の木造瓦屋根、ホーム の屋根を支える柱も木造でレトロな雰囲気が充分にある。東京から2時間のアクセスの良さに加え車両も 旧式であることが利点となって、映画、テレビ、C M等の撮影が盛んに行われている。公式発表によると 2012(平成24)年度8本、2013(平成25)年度12本、2014(平成26)年度 ・・続き

駅名標の写真  殿 山(とのやま)
駅標はひたちなか市の花であるハマギクとケイトウを表す。
陸式ホーム1面1線、無人駅
那珂湊から大きくカーブして北上し海岸線の台地を走行するが、車窓から海はほとんど見えない。駅の 海側に住宅地が広がっているが列車は山側の比較的低い所を走っているため、住宅地から急な坂を下り さらに階段を下りると駅舎に着く。駅舎は依然は有人と思われ、切符を出札する小さな窓口があるが現在 は完全に閉鎖され券売機に変わっている。駅の山側には ・・続き

駅名標の写真  平 磯(ひらいそ)
駅標は平磯ビーチのシンボルである、海に浮かぶクジラの大ちゃんと平磯太陽観測センターの電波鏡を表す。
陸式ホーム1面1線、無人駅
殿山から平磯まで1.2km、勝田ー日工前に次いで駅間距離が短い。駅周辺に住宅地が広がっている。 駅から住宅を抜けて海岸に向かうと平磯ビーチに着く。堤防に囲まれ波がおだやかで、海中滑り台 クジラの大ちゃんが浮かぶ遠浅の海水浴場は、子供たちや家族連れに人気があり夏の行楽地である。 平磯漁港と ・・続き

駅名標の写真  磯 崎(いそざき)
駅標はさつまいも(ひたちなか市は干しいも生産量日本一で、磯崎周辺にさつまいも畑が広がっている) を表す。
陸式ホーム1面、1線 無人駅
平磯を過ぎると間もなく車窓の両側に広大な畑が広がり大平原を思わせる。一帯は台地のため河川が 無く、稲作が不向きのようですべてが畑である。この畑はひたちなか市の名物である、干しいもの原料 となるさつまいもの一大生産地である。ホームに立つと西側はすべて畑で、集落や住宅地と比べてもその 面積が ・・続き

駅名標の写真  阿 字 ヶ 浦(あじがうら)
駅標は温泉、あんこう、釣り針、海藻を表す。
平磯から阿字ヶ浦に続く海岸線は魚介類に恵まれ、風光明媚で素晴らしい保養地である。
陸式ホーム1面、1線 無人駅
湊線の終着駅で構内の面積は他の駅に比べて極めて広い。ホームは8〜10両編成の列車でも充分に停車 できる長さがあるが、現在は限られた部分だけしか使用していない。かっては上野から勝田経由で海水浴 臨時急行列車「あじがうら号」が乗り入れて大いに賑わった。立派な駅舎もあるが現在は無人のため淋しい。 平磯、磯崎駅のホームも ・・続き

路線図
路線図(湊線パンフレットより)

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