夢荘日記　　　　2000年7月

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7/27/2000（Speed DoublerがOS9で使える・・・・）
waoさんのページSpeedDoublerの日々に詳しく書いてあるが、ちょいと手を加えるとMacOS9であのSpeed Doublerが使えるらしい。これが使えなくなってから、バックアップ専用にはTS-Backupperを使っている。バックアップだけなら、これで良いのだが、簡単に差分コピーをしたい時とか、ゴミ箱を空にする時に中身が見えるとか、勿論本来の68k高速エミュレーションとか、やはり使えたら嬉しい。

で、試してみた。ResEditをほんの少しかじっていれば、いとも簡単。結果はどうか、使えます、差分コピーもゴミ箱を空にするときの中身の確認も。まるでOS8の時のようなSpeed Doubler。ならば全てハッピーか。私の環境では、EudoraProを使った後に変な挙動。そのうちフリーズ。こうなったらどちらを採るかなので、泣く泣くSpeed Doubler改を削除。waoさんもコピー機能などは、使わない方が良さそうと言われているから、それは無しにしても、自分の環境で68k高速エミュレーションが使えるなら、有効かも知れない。

一方、待ちに待った新しいSpeed Doubler（正しくはCopyAgent？）はConnectix社からは出たようだ。このへんは、おまめのはぎしりさんに詳しく書いてある。コピーが早いようで、差分コピーも出来るそうだし、楽しみな機能はちゃんと有るらしい。購入しようとも考えたが、いずれ日本版もでるだろう。それまで待とうかなと思うのが今の気持ち。やっと出てきたら、MacOSは9.1で動かないなんてことのないように、Appleも気を遣って欲しいなと思う。だって、この機能は本来ならOS本体に欲しい機能。

ま、ともかく、楽しみに待つことにしよう。

7/25/2000（いつもの散歩道、途中で生ビールを飲んで休息）
今日は画像が多くて重いと思いますが、Canon IXY DIGITALを買ったばっかりの散歩ですので、ちょっと付き合ってください。

23日（日）の午後5時頃、日差しも少し弱まったので自宅を出発。日本の道100選に選ばれた旧陸前浜街道を登り切ると、台地が広がります。そこは一面の畑地、有機栽培を実践しているので、土の消毒は農薬を使わず、マリーゴールドが植えられています。この花を植えると、土中の線虫を駆除出来るそうです。大根などの根菜類を植える前に植えられている、その姿はなかなか見事です。

花の向こう側は海。その海に向かいます。そこにはリゾートホテルと見紛う国民宿舎。

最上階は本当の温泉大浴場、海を見ながらの入浴が出来ます。（但し宿泊客のみ）この建物を右手に見て歩くと、こんな海が広がります。

一息入れるために、国民宿舎に近づくと、外にはテラス風カフェ。ここで生ビールを飲んで休息。

一休みした後、池に出てその回りを散歩。

池には睡蓮、花もちらほら咲いています。人に会うことも希なので、我が家の庭の気分。
6時30分頃に我が家に戻り、芝生の庭でバーベキュー。田舎ならではの、のんびりとした、優雅な休日。自然の風が心地よかった。

7/23/2000（海の日の海を見て）
少し古い話題になってしまったが、海の近くに住んでいるのだから、海の日の話をしておきたい。

その日は、一日中霧が立ちこめ、肌寒い日だった。エアコンが無いと暮らせない所に住んでいる方には、想像もつかないだろうが、この時期のここでは、そう珍しい日でも無い。海に近づくにつれ、足下から冷たくなってくる。そんな夕方、早めに仕事を片付け、海沿いの道を家に向かう。霧は益々濃くなり、霧の中に波が浮かんでいるような景色。波はいつもより高いようだ、台風の影響なのか、神津島付近の地震のせいなのだろうか。

サーファーが集まる浜に近づくと、車が一杯、県外の車も多い。ここにはキムタクも来るとか聞く。もっとも芸能界に疎い私では、もし本人が来ていても気が付かないかも知れない。沖を見ると、確かに波が高い、サーファーの頭上にのしかかるような大波。これならサーファーも大満足なのだろう。

しばらく歩いて、浜の様子が違うのに気が着いた。綺麗なのだ、浜全体が。そう言えば海の日の二日前、浜の漂着物の撤去作業があるので、サーファーの方は車を止めないようにとのビラが出ていた。発泡スチロールのゴミやら、流木やらで汚れた浜の大掃除が実施されたのだった。こんなところに使うなら、税金も無駄では無いなと思う。あまりの漂着物の多さに、その自治体では処理費が負担出来ずに、県や国にお願いしている所も有るらしい。ここの費用が、どこから出たのかは知らないが、無駄な土木工事より、ずっと良いと思う。

海の日に寄せて、自治体からのプレゼントなのだろうか、綺麗な浜を見て、お役所も無駄な仕事ばかりではないなと、そんな気持ちになった。

7/20/2000（どんな新製品がでるのか、ワクワクの気持ち）
間もなく新製品の発表だろうか。今のところ買う予定は無いが、ワクワクするのに変わりは無い。初めて登場したときのiMacや青白G3の衝撃、そしてこんなのが欲しかったと思わせたG4、そろそろそんな新鮮な気持ちを味わいたい。

今はアクセラレーターカードで500MHzのG3DTを使用、早さを実感するには1GHz近くが欲しいものだが、それはもう少し待つ必要が有りそうだ。ならば、新しいグラフィックカードなのだろうか。ともかく本当に必要か？とか、使いこなせるの？と聞かれると、自信を持った回答は出来ないのだが、早ければ気持ちよいのだから、初心者としても、早さは欲しい。

デザインはどうだろう。現行のボディーの色を変えたり、少し寸法を変えたりでは無くて、新しい斬新なデザインを見たい。液晶と良くマッチした、Macらしい、何かが欲しい。デザインのセンスのない私は、具体的なイメージは描けないが、デザインにはかなり拘る。先日購入したCanon IXY DIGITALも、今乗っている車も、家も、最初にデザインが気に入った。デザイン倒れでは戴けないが、先ずデザインありき、それから性能を見る。技術者の端くれでは有るが、デザイン無視の機能にはなじめない。

さて、どんなものが出てくるのだろうか。

7/18/2000（老後の理想、海の近くでそれを実現できたら）
Pip of Macさん（先日名前を間違えました）のフォロー「pressoの老後の理想なんです、夢荘。私の場合は海の近くでそれを実現できたらと野望（無謀？）を抱いてます。」理想が夢荘に掛かっているようで光栄です。Macintosh トラブルニュースの秋山先生が嘗て「私もこのようなページを作りたいものだと長年思い続けている。」と言われたのも、内容ではなくて、自然との関わり合いだと思っている。

だから、今日はMacの話では無くて、ここ夢荘付近の話。夢荘は町の北端の住宅地にある。この住宅地と言っても、一つのイメージでは言い表せない。夢荘の位置は住宅地の西端、だから西側は川に至る斜面、東側は道路、北側と南側は、よそのお宅だが、南側は長期出張中で不在。だからほとんど周りの目を気にすることなく過ごせる。同じ住宅地でも中の方になると、前後左（右）を囲まれた感じで、私には落ち着けない。

欲を言えばキリがないが、その敷地の西端に独立の建物夢荘を建て、その中でMacに触れたり、思いに耽られるのは、幸せそのもの。海までは歩いて行け、山も近い海幸山幸の地。海無し県、山無し町に育った私は、何時かは海か山の近くに住みたいと思っていたのが実現、老後の理想に近い。

最近は時々ホトトギスの声を聞く。この鳥はウグイスの巣に卵を産み、育てさせる不届き者だから、ウグイスの居る所に住むらしい。散歩コースでは良くウグイスの声を聞く。夏のウグイスは春先のウグイスと違って、しっかりと囀る。ホーホケキョの後にはカナリヤの囀りの様な声が続く。

こんな小鳥たちの声を聞くと、この地に住んで良かったなと思うし、今の敷地もほぼ理想的だなと思う。老後の理想、海の近くでそれを実現できたらの、一つの姿、実現できた環境に感謝。

7/16/2000（ワールドワイド戦略に思う）
Appleはワールドワイド戦略を進めている。開発効率を上げてコストを下げるには、有効な手段だろう。一番安い所で作るのが基本には違いない。でも、同じ仕様を世界に広めるのがワールドワイド戦略では無いと思う。顧客の求めるものを、早く、安く供給出来るようにするには、何処で作れば良いか、どんな生産管理や流通手法を採れば良いかを、ワールドワイドで考えるのが、ワールドワイド戦略。

話は変わるが、外交組織に大使館だけでは無くて、領事館が有る。領事は自国の通商を促進するのが責務。日本に有る領事館は、自国の製品を押しつけるのが仕事では無くて、如何にしたら日本で受け入れられるかを調べ、自国に提言する。だから領事館がポイントを外すか、提言を聞かない国からの輸入は増えないそうだ。

アップルジャパンはどうなのだろうか。どうも領事館では無くて大使館、治外法権下のAppleのようだ。自国の利益を、自国の感覚で求めるか、相手の立場に降りて考えるかの違い。実はこれが大きな違い、企業ではもっとも気を付けなければいけない点だ。現地にとけ込んだ海外法人は栄えるが、それが出来なければ衰退するか、限られた人達のものになる。

アップルは日本の事情を把握し、日本に受け入れられる為には何を成すべきかを、本国に提案する義務が有るはずだ。それを受けたAppleは、ワールドワイドで考えて、どんな手を打てるかを考える。マザーボードを統一して、各国の要望を汲んだ製品を、効率よく開発し、安く供給する等の努力を続けない限り、Appleの未来は無いだろう。

Macが好きだから、末永く栄えて欲しいと思う。でも、今のAppleやアップルでは、そんな願いを持つ一部のMacファンだけのものになってしまいそうだ。それでは存続も危ない。

ここまでは7/14の日記と同時に書きました。somethin' good...さんの再反応「流通改革なしにiMacの魅力を生まれなかったのでは｡｡｡｡」に私も同感です。そこで、せっかく流通改革ができたのだから、そこからもう一歩踏み込んで、在庫をむやみに増やすことなく、地方にも流通する更に新しい流通システムを、構築して欲しいものです。今、それが少しずつ出来ているでしょうか、そう期待したいものです。

と言いながら、しばらくはこのG3DT233改（500MHz）を使い続けるつもりだ。上の希望は、Mac仲間を増やす為の他力本願。

7/14/2000（Performaに思う）
サミいさんがアップルに対する思いを語られている。その中のAppleの低迷に「サミいは日本に限って言えばPerforma戦略は日本のMacユーザーの裾野を広げたという意味で、必ずしも失敗ではなかったと思っていますが、Apple全体としては倒産か買収の瀬戸際に立たされるほどの危機を招いた大失敗だったようです。」が有る。

私はPerforma5210で自分のMacに出会った。もし、それが無かったら、今ほどのMacユーザーになっていたか疑問である。何故Performaが良かったか、答えは、安くて近くの家電店で見て購入出来たからだ。初心者がパソコンを買うのは、大変なことだ。今なら、通販でも買う気が起きるが、初心者では、何処で、どうやって買ったら良いか不安が一杯。Macの必要性に迫られてもいたのだが、入ることに躊躇のいらない家電店にそれが有ったから、買えたと言っても間違いは無い。

もし、このPerforma戦略がiMacの時に取られたら、どうだっただろうか。町の大型家電店でiMacに会えるとしたら、爆発的なブームになったと思う。今のiMac戦略でも相当なブームになったが、浮ついたブームで、買いたくても買えない。地方にはスケルトンの雑貨が増えただけだった。

妻の友人がメールを始めたくて、パソコンを狙っている。どうやらそれはWindowsの動くパソコンになりそうだ。近くの家電兼パソコン店にいけば、選ぶのに迷うほどのDOS/V機は有る。Macは電源の入っていないG4が一台。妻もMacが良いと思っても、それ以上強くは奨められないと言う。

無いものは買えないし、例え有ってもiMacは少し時代遅れになったようだ。Dos/v機の世界ではデスクトップも液晶の時代。iMacに刺激されて、色やデザインにも工夫がなされている。アメリカ好みの原色系iMacに比べ、日本人好みのパステルカラー。液晶だから省スペース、日本の家庭に入り込んでも邪魔にはならない。

青白G3やG4の拡張のしやすさは素晴らしいと思う。でも、初心者にはほとんど関係のない話。具合が悪くなった時の回復のしやすさも、初心者には関係が無い、いや良さも分からない。やはり、身近の店で見て、触れて、かっこよいと思えるデザインが初心者の心をくすぐる。何だかワールドワイド戦略とは遠いところに、売れるポイントが有りそうだ。

サミいさんの真似をして、次回「ワールドワイド戦略に思う」に続く。

7/11/2000（七輪でバーベキューは快適、快適）
今朝、玄関を開けると芝生に蛇。早朝に隣のお宅が草刈りをしていたから、そこから逃げ出して来たのだろうか。隣は長期出張で不在、伸びきった草を業者に依頼していた。この地は嘗て「マムシ山」と言われていた所らしいので、先住民は彼らなのだが、気持ちの良いものでは無い。隣の福島県では、朝、玄関を開けたらマムシがいて、咬まれた子供が死亡した事件が、数年前にあった。自然が豊富の引き替えに、こんな危険もあるものだ。

その芝生の上で、以前は良くバーベキューをした。まだ子供が同居していたので、大きなバーベキューコンロに多量の炭を熾し、４人でそれを囲んだものだ。今はその子供達も社会人１年生と大学生で、家にはいない。大きなコンロでは、炭熾しも後かたづけも大変だから、最近はあまりやらなくなっていた。

最近、妻が七輪ではどうかと提案した。七輪なら簡単に持ち運びも出来るし、後かたづけも楽、更に1000円位で買える。バーベキューコンロに比べ、火から網までが近すぎるのが心配だが、やってみることにした。

これが思いの外快適。炉材が断熱材のようなものだから、炭がすぐ熾き、火持ちも良い。火から網まで近いのだが、上手に焼ける。野菜などは、バーベキューコンロでは乾き気味になったのが、七輪ではそんなことも無い。一個では少ないかなと思い、２個使いで、各自専用の七輪にしたが、一個でも良さそうだ。なにしろ思いの外早く焼き上がる。話をしながら、ゆっくりと食事をするには、一人一個では忙しいことになる。

蛇がいないことを確認すれば、芝生の上での七輪バーベキューは快適そのもの。（芝生直置きでは低すぎるので、台かテーブルの上置いたほうが良い）こんな道具を昔考えた日本人は偉いなと思う。せっかくの良い道具、古いと言わずに、大いに活用したいものだ。騙されたと思って、やってみませんか。快適ですよ。

7/7/2000（GoType!キーボードを使っての、車中初めて日記）
Macで行きますぜぃ！さんから頂いた記念品のGoType!キーボードを使っての車中初めて日記。印象は、ともかくノートパソコン。WorkPadに画面を借りてはいるが、WorkPadでは無い。でも、ノートパソコンを持ち歩いた事が無いのだから、そう言い切る事も出来ないのだが、多分こんな感じなのだろう。これくらい軽いMacが有れば、やはり良いな思う。B5サイズより小さい GoType!キーボードサイズが良さそうだなと、今は思う。それくらい、これは良い感じなのだ。これでモニターがキーボードと同じサイズなら、快適そのもの。そうなるとWorkPadを別に持ち歩かなければいけないから、これで大満足、Macで行きますぜい！さん有難うございます。

今日は台風到来で怪しい天気、出張で雨に降られた事の無い私にしても、雨から逃れる事は出来ないだろう。今は9時35分、土浦付近だろうか、雨模様だが、降ってはいない。帰る頃には大雨、常盤線が不通なんて事にならなければ良いのだが、実況中継的な日記になることだろう。

そう言えば、サミいさんのところも折込広告にアップルのアの字も無いようだ。ここも当然無い。アップルが地方では相手にされていないのだ。Macにスペースを削よりWindowsが動くパソコンの方が売れるからだろう。売れる理由は使いやすさでも安定性でも無い、ただ皆が使っているから。Macだったらこんな事が出来るとPRしても、恐らく初めてパソコンに触れる人には、そんなものかで、凄いの感覚は無いのではと思う。Windows3.1のころなら、明確な差を見せられたが、今ではそれも難しい、ならば何なのだろう。目に見えるもの、デザインだろうか。これも相手は凝り始めてきている。ともかく多くの人の目に触れる、買おうと思ったら、近くに有るが基本だと思う。これまで何度もビジネスチャンスを逃したAppleには早く目を覚まして欲しいものだ。ユーザーがいくら声援を送っても、そこまでは出来ない。本当にしっかりしてよApple。

今は午後6時過ぎ、台風を心配して、急いで特急に乗り込んだ。先程まで某学会誌の編集委員会。一人だけのヘビースモーカーの為に、タバコに蒸されてしまった。頭はガンガン痛い。恐らく、明日は一日中寝ている事になるのだろう。憎むべきはタバコ。勿論ここは禁煙車、タバコからは隔絶されている。これが無かったら、とても出張には出られない。外の雨は大した事はないようだ。出張には雨に降られないのジンクスも、そうウソで無さそう。これから大雨で列車が止まらない限り、雨に降られても後は到着駅から、迎えの妻の車までの十数メートルだけ。大した事は無さそうだ。しばらく眠る事にしよう。

7時過ぎ、うつらうつらしたのだろうか、頭の痛さは変わらない。そろそろ水戸との車内放送、雨は止んでいるようだ。

この日記はどれくらいの長さになったのだろう。WorkPadの画面からは想像も付かない。かなり短いものかも知れない。でも、GoType!キーボードでの初めての日記、今晩中にアップする事にしよう。

ここに移したら、結構長い日記。最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。

7/5/2000（桃の実にあの動物を思う）
一週間ぶりの徒歩通勤。途中のお宅の庭の桃、大きな実になっている。一週間前は梅の実くらいが、今や桃そのもの。そろそろ食べ頃のようだ。この実を見て、あの二つの事を思い出した。

その一つは、桃ならぬブドウの話。今は無くなったのだが、我が家の西側に日よけ代わりのブドウ棚が有った。一面に広がった品種はキャンベルアーリー、早生の黒ブドウだ。良く熟すと程良い酸味の、懐かしい味がする。ただ甘いだけの最近の品種より、ブドウらしくて好きだった。無袋では害虫にやられるので、早めに袋をかける。当然中は見えないから、収穫時になると、少し開けてのぞき込む。濃い紫色になって、明日には食べ頃の袋を、しっかりと覚え込む。早朝に戸を開けると、その袋は破られ、下には十分に中身を吸い込んだブドウの皮が落ちている。そう、今年もあの動物がやってきたのだ。

どんな動物がやってくるのか、調べた事がある。その動物は人が寝静まった、夜やってくるらしい。ならばと、その夜は早めに電気を消し、ブドウ棚の上の部屋で息を殺して待ち受けた。しばらくすると、ゴソゴソと袋を破る音に続いて、ペチャペチャとブドウを食べる音。用意した懐中電灯を持って一気に窓を開ける。茶色っぽい、リスを細長くしたような物体が飛び降りる。一目散に川へ下る道をめざすが、そこには当時アルミのフェンスが有った。ゆっくりとくぐり抜けたフェンスも、こうなると壁のよう。大きな音がして、一瞬、小動物が開きのように広がった。ハクビシンだったのだろうか。その後二三日は被害が無かったが、しばらくすると毎日一房ずつ消えていった。

もう一つは桃。桃は病気になりやすいのだが、その木には初めて実が付き、食べられそうな大きさに育ってきた。一週間以内には食べられそうだと、毎日楽しみに眺めていた。ある朝、戸を開けると、無い、袋ごと十数個の桃が全て無い。あの動物なら毎日一個、それも袋は下に落としてあるはず。それが、忽然と消えたように無くなっている。通りからは見えない所、まさか、桃のために、人が忍び込むとも考えにくい。だったら、どんな動物の仕業だったのだろうか。何匹かが、バケツリレーのように運び出したのだろうか。今でも謎である。

7/3/2000（2ヶ月遅れ、幻のツツジの画像）
気が付けば7月、一年の半分は過ぎた。2ヶ月も前に書いた五葉ツツジ、写した写真が銀塩だから、現像を忘れて今頃目に見えるものになった。画像を載せると重いページになってしまうのだが、何しろ幻のツツジ、ここに紹介することにした。

そもそも五葉ツツジとはどんなものか、広辞苑第五版には、こう書いてある。
ごよう‐つつじ【五葉躑躅】‥エフ‥
シロヤシオの別称。葉が5枚輪生状に出るのでいう。
そして、シロヤシオとは
しろ‐やしお【白八入】‥シホ
ツツジの一種。本州と四国の山地のやや高所に生える。高さ3～6ﾒｰﾄﾙ。樹皮は滑らかで斑紋がある。葉は枝先に5枚、輪生。5月頃、枝先に白色漏斗状の花をつけ、直径3～4ｾﾝﾁﾒｰﾄﾙ、花冠は5裂し、上面に緑色の斑点がある。日光の中禅寺湖畔の群落は有名。ごようつつじ。（広辞苑全文引用）

山地のやや高所、確かに山を少し登らないと見られないし、木もかなりの高さが有る。
では、その姿は

汗をかきかき登って、ふと頭上をみるとこんな白い花。振り返ってとった写真がこれ。移植の難しい品種だし、花期も短いので、滅多にみる機会が無い。

品種名も、間違いなくこう書かれている。

付近にはもう一つの珍しいツツジ、三つ葉ツツジも咲いている。

こちらは山ツツジを、もう少し大きく、華やかにした花。

この付近に住んでいても、この花を知る人は、意外と少ないようだ。

7/2/2000（何年も住んでいるのに、また新しい発見）
気候や体調の為だったのだが、3週間ぶりにいつもの散歩コースに出る。夕立上がりの夕方、未だポツポツと雨は落ちているものの、歩いてみたい気持ちが強く、5時過ぎての出発。2時間歩いても未だ明るいのだから、この時期の散歩は楽だ。

川沿いの、新しく整備された遊歩道。３週間前は赤黒い桑の実が一杯なっていたのだが、今は全く見えない、全て鳥が食べたり、落ちてしまったのだろう。桑の実について、あることを思い出すのは、私の年代だけなのだろうか。妻に話すと、ウンウンと同意する、同じ経験をしたと言う。その経験とは、何故か学校では桑の実を食べてはいけないとの、きつい決まりが有った。学級委員会での徹底事項だった気がする。

小学校の時は町の真ん中だから、桑の実を探そうにも、何処にも無かったのだが、中学になると状況が変わった。途中に桑畑は有るし、もっと町はずれから通ってくる悪ガキどもは、口を真っ赤にして登校してくる。今考えると、桑畑の桑には実が付かなかったのか、教えを守って食べなかったのかは定かでは無い。でも、桑の実には食べてはいけないと、こっそりと食べてみたいの両者が複雑に絡んでいることは確かだ。

そんな桑の実は落ちてしまったが、クルミの実が大きく育っている。３週間前は花みたいだったのが、バナナと言うかブドウと言うか房咲きに実を付けている。こんな身近にクルミが有ったとは気が付かなかった。それも珍しい一本では無くて、川沿いにずらりと並んでいる。こんな身近にクルミが有ったとは、今日の今日まで知らなかった。

実は手で摘めるような所にもなっている。秋の収穫の時には、どんな形になっているのだろうか。売っているようなクルミが木に付いているのだろうか、それともあの実が割れてクルミが飛び出すのだろうか。ともかく何年も住んでいるのに、また新しい発見をしたクルミの木、秋までじっくりと観察したい。そんな気分の楽しい散歩だった。

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